治療院、病院では初診は、予診表などを使って状態の確認をしていくことが多く、以前は問診と言われていましたが、現在は医療面接という言葉で表現されています。問診では、治療者側が必要な情報を聞き出すことが主体であり、受ける側が話しをする、気持ちを話すという視点が弱かったので、しっかりと話しを聞くということで医療面接が導入されました。
カウンセリングと言うと、話しを聞くだけという印象をもつかもしれませんが、話しを聞くことで症状が軽減したり、原因が見つかったりすることがあります。用語的には、依頼者の悩みや問題を相談から援助するものです。
目次
1.問診と医療面接の違いは?
2.カウンセリングが重要な理由は?
1.問診と医療面接の違いは?
問診は、痛みがありますか?、いつからですか?のように答えが単語で返ってくるような質問の仕方になります。医療面接は、相手から話しや状況を聞き出すことが重要になってくるので、どのような症状ですか?というように、答えが文章で返ってくるような質問の仕方になります。
文章で表現してもらうと、相手側が抱えている悩み、不安も一緒に表現として出てくるので、話しを聞くというのは重要なのですよね。例えば、腰が痛いと言う人でも、腰が痛くて仕方がないだけではなく、腰が痛いと子どもを抱っこすることができないから辛いとか、部屋が汚れているので掃除機をかけたいけど掃除機をかけるのが辛いのですよねという具体的な状況が出てくるので、どういったことで苦しんでいるのかという生活状況も理解できます。
2.カウンセリングが重要な理由は?
カウンセリングは、専門的な相談援助と言われるもので、施術のための情報を集めるだけではなく、生活の状況をしっかりと聞くことで、日々の問題を理解し、生活指導も含めて考えていくために重要になります。
例えば、腰が痛いという人がいて、いろいろなところに行ったけど、なかなかよくならないという人が居たりしますが、生活の状況をよく尋ねていくと、テレビなどを見ながらソファーで寝てしまう生活が続いているということを伺うときがあります。
こういった場合は、腰が痛くなったのはいつからなのか、ソファーで寝てしまうのはいつからなのかを尋ねていくと、ソファーで寝てしまうのが続いて、腰が痛くなってきて、よくならなくなってしまったという状況が分かることがあり、ソファーで寝てもらうのを止めてもらったら、腰の痛みが消えたということがあります。
本人は、日常生活の中なので、意識していないことが多いですが、身体について、生活についていろいろ話をしていく中で初めて気付くことが多いですね。
なかなか症状が良くならない場合も、よく話を聞いていくと、以前にケガをしてしまっていたところだったりすることがあるので、話しを聞くということは、それだけでも結果に繋がっていくことが多いです。
日々の生活は、意識しないまま行っていくことが多く、習慣化してしまうことが多いですし、習慣化してしまうと、その人に取っては当たり前の状態になってしまうので、話しをすることで、初めて違いに気付くことも多いですね。
施術をする側に取っては生活状況、体質というのは重要だという認識があっても、受ける側からしてみたら、辛いところだけに注目しがちになるので、カウンセリングは、施術側、受ける側の溝を埋めていくことにも繋がっていくことになります。